中国に滞在する外国人が恐れる中国のトイレ。
「ニーハオトイレ」なんて呼ばれていたりしますが、その実態についてご存知でしょうか?
トイレは毎日必ず使うものですから、中国へ行く人は中国のトイレ事情を把握しておいた方が良いでしょう。
・トイレに行く際は事前準備が必要な場合も
・都市部のトイレは基本心配不要
上海や北京、広州・深センなどの大都市のトイレは日本並みに整備されつつあるとは言いますが…
地方トイレは激ヤバなのがまだまだ残っています!
トイレ事情を知らずに中国へ行き、衝撃を受ける人も少なくないようです。
超清潔な国日本と比べると中国の衛生環境は劣るはず・・・
と分かってはいても、中国トイレの実態はなかなかのものです。
中国のトイレ事情やトイレを使うときの注意事項について説明していきます。
ニーハオトイレとはなんなのか?驚愕の正体を解説
都市部では少なくなってきましたが、古い建物や郊外・農村部では未だに存在しているニーハオトイレ。
ニーハオトイレというのは、トイレとトイレの間に低い仕切りの壁が立っているだけ(仕切りの壁すらないトイレもあります。)
で、個室になっていないトイレです。仕切りが低いので、隣で用を足している人の顔が見えます。
トイレの溝が共用のニーハオトイレでは、他人の排泄物が流れてきたり・・・
自分の排泄物も他人のところに流れていったり・・・。
小はまだ耐えられても、他人の大が流れてくるのは耐えがたいものがありますよね。
形式は色々ありますが、「個室になっておらず互いの顔が見える状態で用をたすトイレ」、これがニーハオトイレです。
隣の人と「ニーハオ!」と挨拶できるのでこう呼ばれています。
生理的にどうしても受け付けないという日本人も多く、中国に行くとトイレに悩まされることになってしまいます。
地方や山間部の中国人にとってのトイレとは…
「用を足すのは自然の摂理。用を足さない人なんていないのだから、別に恥ずかしいことでは無い。」
という感覚を中国の人は持っているようで、別に隣の人の顔が見えていようと堂々と用を足すことができるようです。
日本人は、知らない人と(知り合いだとさらに気まずい!)顔を合わせながら用を足すって、かなり抵抗がありますよね。
ここら辺も日本と中国の文化の違いです。
中国ではトイレは団欒の場で、トイレはおしゃべりをしてコミュニケーションを取る場所なのです。
そんな独自のトイレ文化を持つ中国ですが、近年は個室のトイレも増えトイレ事情も少しずつ変わってきています。
トイレに行きたい!ニーハオトイレしかない!どうする・・・?
食事の量や摂取する水分量を減らしたりすることで、多少調整はできるかもしれませんが、無理をしたり我慢することは健康によくありません。
トイレに行きたい、でもニーハオトイレしかない。
そんな時は、思い切って使ってみることをお勧めします!
中国にしかないニーハオトイレを使うことも、一つの貴重な文化体験。
ニーハオトイレが攻略できれば、もう世界中どこへ行ってもトイレなんか怖くない!
そんな意気込みで、一回ニーハオトイレを経験してみるのも良いでしょう。
どうしてもどうしても無理という人は、大人用のオムツを用意しておきオムツで用を足すという方法もあります。
または草むらがあれば、そこにするという手段もあります。
中国のトイレは汚いのか?日本の公衆衛生感覚は捨てて挑むべし
日本でも一昔前は、公衆トイレは汚いところが多くありました。(ちょっと前まで新宿駅のトイレなんてまさに地獄でした)
最近は駅やデパートの公衆トイレはだいぶ綺麗になりましたよね。
中国も近年めまぐるしい経済発展を遂げ、都市部などではだいぶトイレ事情は改善されてきているようですが、それでもまだまだ汚いのが実情です。
理由としては、利用者が多いこととマナーの悪さが挙げられます。
利用者が多いのは、中国の人口が多いので必然的にそうなるわけですが、マナー面の問題もかなり大きく関わっています。
便器に座らず立ったまま用を足すので排泄物で床が汚れてしまったり・・・。
一度汚くなると、誰も綺麗に使用しようと思わなくなるのが人間の心理。
みんながマナーを守らずに使うので、どんどん汚れてしまうのです。
それから中国のトイレが汚いその他の理由は、設備や清掃技術が悪いこと、清掃員の質も低いことが挙げられます。
こう言った理由があり、中国のトイレは世界で最低レベルと言われているのです。
綺麗・清潔に慣れている日本人は、覚悟を決めて中国のトイレに挑みましょう。
ちなみに、各家庭のトイレは問題ありません。
個人差はあると思いますが、個人宅については整理整頓されている場合が多く、トイレの使い方も丁寧です。
都市部のトイレ事情は改善してきている!狙うなら新しい商業施設を!
中国のトイレ事情は、昔々の清の時代から悪かったのだそうです。
中華人民共和国が建国され、凄まじい経済発展を遂げている今でも、トイレは急速な発展を遂げません。
ただ、北京や上海、広州、深センなど都市部のトイレは近年だいぶ改善してきているようです。
以前は個室無しのトイレが当たり前でしたが、今ではホテル、デパート、ファーストフードなどには個室のトイレがあります。
清掃もきちんとされていて、日本のホテルやデパートと同じくらいの清潔なトイレが利用できます。
また、中国の都市部には駅や公園の中ではなく街の一角に公衆トイレがあります。
常駐の清掃員がいる公衆トイレは清潔なところが多く、日本人も利用しやすいと思います。
ただ、都市部でも胡同(フートン:旧市街地のような古い民家の残る路地)にある公衆トイレは汚いところが多いです。また、少し郊外に出るとひどい状態のトイレがあったりします。
中国できれいで清潔な公衆トイレが多い場所4選
入った途端に排泄欲すら吹っ飛んでしまうようなひどい状態のトイレが存在している中国。
さすがにそんなトイレで用を足すことはできないという人がほとんどでしょう。中国滞在中、できるだけ綺麗で清潔な公衆トイレを利用するためにはどこへ行けば良いでしょうか?
中国清潔トイレ1.カフェやファストフード店のトイレ
カフェやファストフード店が乱立するような都市部であれば、気軽に利用できるお店の公衆トイレを利用すると良いでしょう。
少し前までは中国にはカフェがほとんどなく、コーヒーを飲める場所はほとんどありませんでしたが、近年になりチェーン店が急増しました。
一番多いのはアメリカ系のスターバックスコーヒーで、そのほかに韓国系や香港系、イギリス系のチェーン店が続々と店舗を増やしています。
個人経営のカフェもありますが、どこも割とトイレは綺麗な印象です。
ただ、カフェやファストフード店のトイレでもトイレットペーパーが無いところが多いので、ティッシュペーパーやウェットティッシュは常に携帯しておくと安心です。
中国清潔トイレ2.観光地にある星付きトイレ
あちこちの観光地に必ずあるというわけではありませんが、観光地の中には市政府認定の星が付いたトイレがあるところがあります。
政府お墨付きのトイレということで、清潔なところが多いです。
中国清潔トイレ3.デパートやショッピングモールのトイレ
老舗デパート・老舗ショッピングモールのトイレはあまり綺麗でないこともありますが、近年建設されオープンしたばかりのデパートやショッピングモールのトイレは清潔なところが多いです。
いざという時のために、近くのショッピングモールやデパートの中にあるトイレの位置を把握しておくと良いかもしれません。
中国清潔トイレ4.4つ星・5つ星ホテルのトイレ
外観が立派な高級ホテルのトイレは高い確率で綺麗です。
外資系ホテルでも中国系ホテルでも、4つ星以上のホテルのトイレは安心して利用できます。
ホテルのトイレはトイレットペーパー付きのところも多いです。
中国でトイレを探すときに便利なフレーズをチェック!
日本語 | 中国語 | 発音 |
トイレはどこですか? | 洗手间 在哪里? | シーショウ ジィェン ザイナーリー |
トイレはどこですか? | 厕所 在哪里? | ツェスォー ザイナーリー |
マクドナルド | 麦当劳 | マイダンラオ |
スターバックス | 星巴克 | シンバークァ |
中国でトイレを利用するときの7つの注意点
中国ではトイレに向かうための準備が欠かせません。
日本の感覚で何も準備をせずにトイレに行くと大変なことにもなりかねませんので注意が必要です。
中国トイレの注意点1.トイレットペーパーが備えられていない
お店のトイレやショッピングモールのトイレにはトイレットペーパーが置かれていないところが多いです。
高級ホテルのトイレにはトイレットペーパーがありますが、ホテルの部屋のトイレにすらペーパーが無いということも
中級クラス以下のホテルに滞在していると、
ある日はペーパーがあるのに別の日は清掃員の人が置いていってくれなかったりと、
気まぐれで紙があったりなかったりということもあるそうです。
中国国内では常にティッシュペーパーやウェットティッシュを携帯するようにしましょう。
ポケットティッシュは現地のコンビニなどで10個セットが10元(161円 ※2019年5月の時点での換算)程度で購入できます。
中国トイレの注意点2.トイレットペーパーを流しては行けない
中国のトイレは日本と同様水洗トイレですが、ペーパーは水に溶ける素材でできておらず、また流れる水量も少ないのでトイレットペーパーをトイレに流すとすぐに排水管が詰まってしまいます。
便器の横にゴミ箱が設置されているので、ペーパーはトイレに流さずゴミ箱に捨てましょう。
とはいっても、用を足した後ペーパーをトイレに流すのはすっかり身についた習慣になっていますから、ついうっかり流して詰まらせてしまったという人も多いようです。
ホテルや空港の個室トイレには、ゴミ箱が設置されていないところもあります。
ゴミ箱が無いトイレならペーパーをトイレに流しても大丈夫です。
「中国人は並ばない」なんて聞きますが、最近では都市部では列を作り並ぶのが当たり前になりつつあります。
ただ、郊外や地方へ行くとまだまだ「並ぶ」という習慣が浸透しておらず、公衆トイレでも順番待ちをしない人がいます。
トイレが空いたら早い者勝ち状態で、後から来た人にどんどん抜かされてしまうこともあります。
周りの様子を伺いながら、状況によっては周りと同じように、トイレが空く瞬間を狙って・・・というスタイルで良いと思います。
中国トイレの注意点4.個室トイレにフックが無い
通常個室のトイレに入ると、上着や荷物をかけるフックが扉の内側についていますよね。
中国の個室トイレにはフックが無いか、元々はあったけれど外れてしまっているところが多くあります。
大荷物でトイレに入るのは避けた方が良いでしょう。連れ合いがいれば、トイレに入る前に荷物や上着を預けてトイレに行きましょう。
中国トイレの注意点5.使用する前に便座を確認した方が良い
中国の個室トイレでは、使用する前に念のため便座が壊れたり汚れたりしていないか、確認することをお勧めします。
マナーを守らず便座の上に靴のまま上がり用を足す人もいますし、そうやって便座が汚れるので便座に座らず腰を浮かして用を足し、排泄物が飛び散って汚れる・・・
という事態になってしまうのです。
日本の公衆トイレには便座シートやクリーナーが設置されているところもありますが、中国ではありません。
便座を拭く用、または便座に敷く用のウェットティッシュ、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどを携帯するようにすると良いでしょう。
できるだけ便座には直に座らない方が良いと思います。
中国トイレの注意点6.最新の公衆トイレには顔認証システムが導入されている
観光地として有名な北京の天壇公園の公衆トイレには、複数台の顔認証システムが導入されています。
トイレットペーパーの盗難が相次ぎ、やむなく最先端技術を公衆トイレに取り入れたそうです。
トイレを使用する前に設置されている顔認証の機械を3秒ほど見つめると、1回分(60〜70cmほど)のペーパーが出てきます。
ペーパーを受け取ってから9分経つと、もう一度1回分のペーパーを受け取ることができます。
トイレットペーパーの無駄遣いや盗難防止のためには有効な手段ではありますが、お腹を壊している時など、1回分がこれだけでは足りないという時には非常に不便です。
上でも説明した通り、便座を拭いたり便座に敷いたりする分のペーパーも欲しいなと思うこともあると思います。
事情がありペーパーが余分に必要な場合は、常駐しているスタッフに告げれば追加のペーパーをもらうこともできるようですが、ちょっと恥ずかしい気もしますよね。
顔認証システム1台の設置コストは5,000元(約80,403円 ※2019年5月時点での換算)するそうです。
お金の無駄遣いだ!
という声がある一方で、ペーパーの使用量は導入前より5分の1まで減ったのだそうで、確かに顔認証の導入効果はあったようです。
最近は顔認証システムを導入する公衆トイレが増えています。
なんにせよ、中国でトイレに行くときは自前のティッシュやトイレットペーパーを持って行くようにしましょう。
中国トイレの注意点7.個室からなかなか出てこない人がいる
日本でも、一昔前まではお父さんが新聞をトイレに持ち込んだまま出てこない、息子が漫画を持ち込んだまま出てこない・・・
なんていうことがありましたよね。最近はスマートフォンを持ち込んでトイレに長居する人が増えています。
中国でも同じ現象が起きていて、公衆トイレでスマホをいじってなかなか出てこない人がいます。
もし、待てど暮らせど先に入った人がトイレから出てこない、困ったという時には、ノックをするか「请快点,我快憋不住了(チン クァィ ディェン,ウォ クァィ ビィェ ブー ヂュ ラ)」=「急いでください、我慢できません。」と声をかけてみましょう。
中国トイレを楽しむ!トイレ注意書きが面白い
中国のトイレには、イラストで注意書きが貼られているところが多くありますが、非常にユニークなのでぜひトイレを利用する際は探してみてください。
え!こんなポーズで用を足す人がいるの!?
え!こんなことトイレでするわけないでしょ!?
と思うようなイラストが描かれているんです。
人口が日本の10倍の中国。
とにかくいろんな人がいて、用の足し方までバラエティ豊かなんだな・・・と感心してしまいます。
今中国ではトイレ革命が起きている?
凄まじい経済発展を遂げる中国ですが、トイレ事情だけは世界水準に全く追いついていないという現状に対し、習近平国家主席がトイレ改革の号令を出したのです。
この改革は2015年から本格スタートし、中国全土で約70000箇所近いトイレが新設・修理されたのだとか。
観光客やビジネス関連で訪中する外国人が多い都市部だけでなく、農村部のトイレにも取り組んでいるそうです。
やるとなったら徹底して、しかも急スピードでやる中国のことですから、もしかしたらこれからあっという間に中国のトイレは清潔できれいになるのかもしれません。
中国のトイレ事情や困ったときの対処法まとめ
汚い、不衛生、使う人のマナーが悪い、他人と対面式のトイレとか理解できないと悪名高い中国のトイレ。
しかし近年はトイレ事情改革に政府も本格的に取り組んでおり、徐々に改善してきています。
中国では特に農村部の人たちに使用マナーを浸透させるのに一苦労、そして人口が多すぎてトイレを清潔に保つのに一苦労といったところですが、間違いなくこれからトイレは清潔で綺麗になって行くと思われます。(期待も込めて。)
中国に旅行や出張、留学などで滞在することがあったら、ちょっと勇気がいりますがニーハオトイレにも挑んでみるとそれはそれで貴重な思い出になります。
SNSで発信する話のネタにもなりますし、友達にびっくり仰天ストーリーとして話せばウケること間違いありません。
カルチャーショックも異文化体験の大切な要素です。
ネガティブな感情で拒否するのではなく、ポジティブな気持ちで様々な異文化に飛び込んでいってみましょう。