HSKとは?中検とどっちがいい?HSK中国語検定のレベル別勉強方法や受験方法・中検との違いを比較解説

HSKとは?HSK中国語検定のレベル別勉強方法や受験方法・中検との違いをバシッと解説!

中国語を勉強している多くの人は、中検やHSKの受験を考えると思います。

どちも多くの日本人が受験する試験で、中国語の能力を証明する資格となります。

また、どちらも「中検」という名前のため紛らわしいため、どっちがよいのかもわかりにくいですよね。

この記事のポイント・中検かHSK、どちらか一つを選ぶなら?
・受験するなら何級を受験するべきか?
・HSK各級のレベルと学習内容や時間の目安は?

など、気になるポイントについて解説していきます。

HSKの内容についてを詳しく知り、学習の対策や資格の活かし方を学んでいきましょう。

HSK中国語検定とは?どのような資格なのか

HSK中国語検定とは?どのような資格なのか

HSKは中国政府の公認試験。世界基準の中国語資格です!

社会的な信頼度が高い試験です。

中国への本格的な留学や中国語を武器に仕事をしたい人なら必須の試験と言えるでしょう。

中国企業へのアピールなら中検ではなくHSKが基本となります。

中検とHSK、どちらを受験した方が良いのかな?

と悩む人もいるようですが、用途に合わせて可能であれば両方受験すると良いでしょう。

なお、試験を受けるという具体的な目標があると語学学習のモチベーションも上がるため、いずれにせよ試験を受けることは中国語上達にとってメリットです。

例えば、英語を学習している人が英検とTOEICの両方を受験して、あとは必要に応じてTOEFLやケンブリッジ検定・IELS・国連英検を受験したりしますよね。

能力を証明する資格はいくつあっても邪魔にはなりません。

ただ、受験料もかかりますし受験会場が近場になく、受験のために遠征するのが大変だという人もいるでしょう。

その場合は、中国国家試験であるHSKの対策をすすめるのがおすすめです。

HSKと中検は何が違うのかについてを解説

HSKと中検は何が違うのかについてを解説先にもお伝えしましたが、HSKは中国政府公認の中国語能力試験です。

HSKの級を持っていると、世界中で中国語の能力を証明する資格になります。

一方の中検は日本国内で日本人向けに実施されている検定試験です。

比較すると以下の通り。

HSK
  • 中国の公認資格
  • 中国企業や中国内で有利
  • 世界で使える
  • 英検に例えるとTOEICやTOEFL
中検
  • 日本の民間資格
  • 日本国内の就職で有利
  • 日本向け
  • 英検に例えると英検(実用英語技能検定)

HSKは中国語力をグローバルに証明できる試験といえます。

英語の技能試験の例えがわかりやすく、HSKは世界的にも名のしれた資格試験です。

HSKと中検のどちらか一つを受験するならどっちが有利なのか?

HSKと中検のどちらか一つを受験するならどっちが有利なのか?事情がありどうしてもどちらか一つしか受験できないという人は、HSKの受験をお勧めします。

中検が通用するのは主に日本国内に限られるのに対して、HSKは中国でもその他の国々でも通用します。

また、中検は中国語の正しい知識や日中・中日翻訳の正確性を問う問題が多いのに対し、HSKは日常で使う中国語力を問う問題が多く、実用性が高い試験となっています。

とはいえ、中検は日本人の苦手分野の出題が多く、中検に向けて勉強することで日本人がミスしやすい発音や文法を克服することができます。

また、日本国内で翻訳関係の仕事で働きたい人や中国語の能力を武器にして就職を目指す人にとっては、中検に合格しておくことは必ずメリットになります。

HSK・中検のレベルとTOEIC(英語)との比較

HSK・中検のレベルとTOEIC(英語)との比較

中国語試験のレベル感をTOEICと比較すると以下の通りです。

HSKとTOEICの点数比較
  • HSK3級:TOEIC450〜650点
  • HSK4級・5級:TOEIC450〜650点
  • HSK6級:TOEIC990点
中検とTOEICの点数比較
  • 中検準4級・4級:TOEICの450〜650点
  • 中検3級・2級:TOEICの700〜850
  • 中検準1級・1級:TOEICの990点

HSKは簡単な方から順に3級・4級・5級・6級の4段階です。

HSK3級 TOEICの450〜650点目安
HSKの4級・5級 TOEICの700〜850点目安
HSKの6級 TOEICの850〜990点目安

HSK3級に求められるのは旅行会話のレベルで、TOEICの450〜650点程度のレベルに値します。

HSKの4級・5級が日常会話を上手に話せるレベルでTOEICの700〜850点相当

HSKの6級がビジネス会話レベルでTOEICの990点に相当します。

中検とは反対なので注意が必要です。ランクが上がれば上がるほど数字が増えていきます。

中検のレベルを解説

中検のレベルを解説なお、中検は簡単な方から順に準4級・4級・3級・2級・準1級・1級の6段階に分かれています。

中検の準4級・4級 TOEICの450〜650点目安
中検の3級・2級 TOEICの700〜850点目安
中検の準1級・1級 TOEICの850〜990点目安

中検の準4級・4級はTOEICの450〜650点程度のレベルに値します。

中検の3級・2級、TOEICの700〜850点相当

中検の準1級・1級でTOEICの990点に相当します。

HSKのレベル別難易度と学習時間目安

HSKのレベル別難易度と学習時間目安

それではここからは、HSKの試験内容について説明していきます。

1級が初級、6級が難易度が最も高い級になります。

語彙数 求められる中国語の能力 学習時間目安
1級 150語 基本的なフレーズや単語を理解し使うことができる。 大学の第二外国語における第1年度前期履修
2級 300語 簡単な日常会話ができる。 大学の第二外国語における第1年度終了
3級 600語 日常の様々なシーンで基本的なコミュニケーションが取れる。旅行会話ができる。 大学の第二外国語における第2年度前期履修
4級 1,200語 様々なテーマについて中国語で会話ができ、中国語を母国語とする人としっかりとしたコミュニケーションが取れる。 大学の第二外国語における第2年度終了
5級 2,500語 中国語の新聞・雑誌を読解できる。中国語でニュースや映画を見て理解できる。中国語でスピーチができる。 大学の第二外国語における第2年度終了以降
6級 5,000語 中国語でスムーズに読み書きができ、自分の言いたいことを的確に表現できる。

大学の第2外国語が学習時間の目安となっています。

4級合格するまでに第2年度終了程度の語学力が必要ということは、2年も時間がかかるってこと?

とは思わないでください。

大学の第2外国語は週に1、2回のクラスがあるのみです。

大学で1〜2年がかりでスローペースで学習する内容を短期間で学ぶことは十分可能です。

HSKに合格するための学習法とは?レベル別の要点と学習方法

HSKに合格するための学習法とは?レベル別の要点と学習方法

自分のレベルを見極めつつ、合格を目指せる級を見定めて学習しましょう!
級別の試験対策と覚える内容を理解することが大切です。

HSK1級〜3級(中国語入門レベル)

発音 ・4つの声調
・2音節声調
・ピンイン表を見ながらの発音練習
単語 ・入門単語を暗記
短文 ・入門短文の文法を理解
・入門短文を暗記
総合学習 ・発音練習
・基礎的な短文教材での学習
・シャドウイング

HSK3級〜4級(中国語初級レベル)

発音 ・ピンインを見ながら初級の中国語例文の発音を練習
単語 ・初級単語を暗記
短文 ・初級短文の文法を理解
・初級短文を暗記
・自分で例文を作成してみる
総合学習 ・初級教材を使って学習
・シャドウイング

HSK5級(中国語中級レベル)

発音 ・中級者向け教材の例文をピンインを見ながら発音
単語 ・中級単語を暗記
短文 ・中級短文の文法を理解
・中級短文の文法を暗記
・自分で例文を即座に作成してみる
総合学習 ・中級教材を使って学習
・シャドウイング

HSK6級(中国語上級レベル)

発音 ・上級教材や中国語の出版物などを何も見ずに発音する練習
単語 ・上級単語を暗記
短文 ・上級短文の文法を理解
・上級短文の文法を暗記
・ビジネス会話レベルの例文を作成してみる
総合学習 ・上級教材を使って学習
・ビジネスレベルの会話

HSKを受験したい!何級を受験するべきかの目安を知るには?

HSKを受験したい!何級を受験するべきかの目安を知るには?受験する急で迷っている人は、HSKの過去問に挑戦してみたり、HSK公式サイトで試すことができるレベルチェックテストを受けてみると良いでしょう。

全問正解レベルの級を受けるのはお金と時間の無駄なので、少し頑張れば受かりそうという級を目標に学習すると良いでしょう。

大学入試・留学・就職に求められるHSKのレベルとは?

大学入試・留学・就職に求められるHSKのレベルとは?日本の場合、それほど重要視されていないのが現状ですが、自己アピールには活用できそうです。

本場中国の場合、HSKレベルで就職等が有利に働くことが大いにあります。

また、中国語レベルを知るための必須試験であることもあり、中国や中国企業を対象にしている方はより難易度の高い級を目指すべきでしょう。

日本の大学入試で求められるHSKレベルとは?

日本の大学入試で求められるHSKレベルとは?日本の大学入試で必須となるのは英語で、大学によっては第2外国語での試験が受けられるところもありますがHSKの成績でプラスになるという大学・学部はほとんどありません。

推薦入試・AO入試で受験する場合の自己PRには利用できるでしょう。

中国の大学へ留学で求められるHSKレベルとは?

理系なら4級以上、文系なら5級以上が理想!

中国の大学へ本格的に留学するという場合は、HSKの成績の提出が求められることがあります。

大体の目安として、理系の学部に留学する場合は4級以上、文系の学部に留学する場合は5級180点以上を求められることが多いです。

ただ、大学によって異なるので詳細は希望の大学に問い合わせてみると良いと思います。

中国企業に就職で求められるHSKレベルとは?

HSK6級を目指そう!

級が高ければ高いほど有利に働きます。

中国企業の日本法人勤務の場合でも現地社員との円滑なコミュニケーション能力が問われるため、重要視されることが多いようです。

中国本土勤務の場合、ネイティブレベルを求められるのは当然のこと。

HSK6級を目指して学習しましょう。

日本の企業に就職で求められるHSKレベル

4級を持っていればアピールになる!

中国に駐在員を派遣する日本企業に就職する場合ですが、こういった大企業ではそれほど中国語の高い能力を社員に求めていません。

というのも、現地では共通言語が英語だったり、現地には通訳者がいて中国語を話せなくても仕事はできるからです。

ただ、もちろん就職の際中国語のスキルを持っていることは強い武器になります。

HSK4級以上に合格していると、中国語能力をアピールできるでしょう。

中国語を生かして即戦力で働きたいという人は、HSK5級180点以上は必要になってくるでしょう。

HSK中国語検定のレベル別勉強方法や受験方法・中検との違いまとめ

語学を学ぶ上で、目標があることはモチベーション維持につながり大切です。

また、客観的に自分のレベルを知り自分の能力を証明できる資格を持っておくことも大事なことです。

まだまだ中国語学習を始めたばかりという人も、難易度の低い級から受験してみましょう。合格した時の達成感や充実感を味わうのは気持ちが良いものですよ!